超音波探傷試験(UT)について

Q:「超音波探傷試験」とは何ですか?

A:超音波探傷試験(Ultrasonic Testing)は、超音波の反射を利用して試験体内部のキズを検出する非破壊検査手法です。原理は、健康診断等でお腹にヌルヌルした液を塗布して胃や腸を見る超音波検査と同じだとお考えください。
機械がコンパクトでバッテリー式のため、工事現場にて手軽に作業できます。(建設中の高層ビル、橋梁、高所での調査工事)
また、超音波探傷試験はその場で検査結果が得られます。現場担当者や役所の立ち合いにて「検査結果は報告書に付くのか?」と尋ねられることが多いですが、デジタル画像により報告書に結果を添付できます。

参考例をご用意できますのでお問い合わせください

Q:どのようなきずに適した試験ですか?

A:溶接部や材料内部の割れやきずの検査に適しています

Q:きずの有無だけが分かる試験ですか?

A:超音波を伝播させ反射した信号を受信することで、きずの有無だけではなく、位置・大きさも推定することができます

Q:試験方法はどのようなものがありますか?

A:垂直探傷と斜角探傷の大きく2つの方法があります。
垂直探傷は主にアンカーボルト長さ測定やトンネルのロックボルトの長さ測定に使用します。
斜角探傷は探傷面に対し斜めに超音波を入射させる方法で、溶接部等の探傷に用いられます。また、材料の内部きずの有無にも使用します。

Q:超音波探傷試験は人体に影響はありませんか?

A:人体への悪影響はありません。胎児のエコー検査で使用されているようことからも分かるように、人体への影響が無い(または非常に小さい)と言われています

Q:どのような場所でも試験可能ですか?

A:探傷器は小型で軽量(電源はバッテリータイプ)ですので現場には適しています。(高層ビル、橋梁など大抵は可能です)

Q:どのような形状でも試験可能ですか?

A:複雑な形状のものは不向きです。また、試験面が平らであることが重要となります。(圧延肌)

Q:どの位の大きさの内部欠陥まで検出可能ですか?

A:2~3mm程度となります。1mm以下でも検出可能ですが、それは欠陥(きず)の有無だけの判断となります。また、それに伴う時間は要します

Q:ペンキやメッキの上からできますか?

A:できますが精度が悪くなります。検査の前にペンキやメッキ上で超音波の通り具合を調べ補正し探傷します。
メッキはそれほど精度が悪くなりませんが、ペンキは精度が悪くなり、状態(塗膜の厚さ、塗膜が浮いている等)によっては超音波探傷試験が不可能になります。

Q:1日にどのくらいの量ができますか?

A:溶接部の検査では、外観検査および超音波探傷試験を行います。実際の検査工程は、前準備(装置の調整)、サンプリング(抜取箇所をマーキングする等)、前処理(スラグ・スパッタ等の除去)、検査員による検査(外観検査、・超音波探傷試験)、検査結果の記録からなります。
このすべての工程を一人で作業し、前処理の作業に手間がかかり(スラグ・スパッタがかなり残っている)、ある程度欠陥(合否にかかわらず)があり探傷作業に時間がかかるような場合を想定して、1日80箇所程度(1箇所300mmくらい)です。
高所作業車を使用しての作業や狭所での作業では1日30箇所以下の場合もあります。

Q:検査率はどうやって決めますか?

A:通常、検査率は設計図書の特記仕様に記載されています。
検査率が明記されていない場合には、設計管理者が決定します。
検査率を決める根拠は、Jiss6 もしくは共通仕様書が多いようです。

Q:溶接部の超音波探傷試験で板厚40mm以上の場合、なぜ70度と45度の探触子を併用するのですか?

A:溶接部の超音波探傷試験では、全溶接断面に超音波ビームが当たることが重要です。両面両側から探傷走査ができる場合は、ほぼ全溶接断面に超音波ビームが当たります。
通常の溶接部の斜角探傷では70度の探触子を用いますので、板厚が薄い場合は1回反射法を用いて、裏側で超音波ビームを反射させて全溶接断面に超音波ビームが当たるようにします。
しかし、板厚が40mmを超えると超音波の伝搬する距離が長くなりノイズが大きくなりSN比が低下して適正な探傷検査困難になります。(一般的には超音波の伝搬する距離は250mm以内での探傷となっています)
そこで、45度の探触子を用いて、1回反射法で全溶接断面に超音波ビームが当たるようにします。そのため、40mm以上の板厚では70度の探触子だけでなく45度の探触子を用います。

その他、超音波探傷試験についてのご質問は、(株)ディ・アールへお気軽にお問い合わせください。

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