橋梁補修工事における目視点検調査・たたき点検調査

日付:2026.2
場所:奈良県奈良市
作業内容:
目視点検調査・たたき点検調査

奈良県内の橋梁において、目視点検調査及びたたき点検調査(ハンマーリング)を実施しました。

この調査の目的は、お客様から提供いただいた事前資料をもとに、すでに確認されているコンクリート表面の「ひび割れ」「浮き」「剥離」「鉄筋露出」などの損傷箇所が進行していないかを確認することと併せて、新たな損傷が生じていないかを網羅的に点検することにあります。

今回は、橋台(A1、A2)および橋脚(P1)の上下線を、2名体制で点検しました。

点検調査

印刷した図面データを現場に持参し、撮影漏れや調査箇所の混乱を防ぐため、図面にチェックを入れながら目視での現況確認とテストハンマーを用いた打音調査を実施。打音調査では打撃時の音を聞き分け、コンクリート内部の浮きや剥離箇所を把握します。

図面に記載された損傷箇所だけを見るのではなく、記載のない箇所も漏れなく見て、新たに発見した損傷箇所があればチョーキングで明示し、図面にも書き込みます。

そして、損傷箇所はすべて写真撮影します。

▼「ひび割れ」の例

▼「浮き」の例

▼「剥離」の例

▼「鉄筋露出」の例

報告書の作成

現場での調査が済んだら報告書を作成します。
報告書の内容は損傷位置図、損傷の数量表、損傷写真となります。

損傷位置図は、現場での手描きスケッチと写真記録をもとに、オートCADで作成します。

▼現場でのスケッチの例

▼上記のスケッチを元にCADで起こした損傷位置図

図内のアルファベットは損傷の種類を意味します。
「h:ひび割れ」「U:浮き」「T:鉄筋露出」、上の図にはありませんが「Ha:剥離」です。

損傷位置図には下記の凡例に従い位置と面積を表示します。

そして、損傷箇所の現況写真を添えて提出します。

▼図内T-1箇所の実際の損傷写真(鉄筋露出)

現場のスケッチをCADで図面化する作業は、思いのほか慎重さが求められます。
例えば、ひび割れの複雑な線は、適当に描いているわけではなく、現場の写真と完全に一致するよう忠実に再現しなければなりません。

そもそも現場でのスケッチを適当に描いてしまうと、実際の状況と違いが出てしまいますので、まずスケッチの正確さが求められます。

また、天井部分をスケッチする際は視点の切り替えに留意が必要です。現場では下から見上げる恰好となりますが、報告書に添付する図面は見下げ図(上から見た平面図)のため、スケッチを描く際も頭の中で左右を反転させながら描きます。

そういった点で、空間把握能力も必要な業務だと思います。