期間:2025年7月〜8月、12月
場所:大阪府大阪市
作業内容:鉄筋探査、アンカーボルト引張試験、アンカーボルト定着長測定(超音波長さ測定)
国道の橋梁補強補修工事の一環で、耐震補強用や拡幅用などのブラケットを設置するにあたり、まず事前調査として「鉄筋探査」を行いました。
さらに後日、ブラケット固定用アンカーボルト打設後の工事品質試験として「アンカーボルト引張試験」「アンカーボルト定着長測定(超音波長さ測定)」を実施しました。
【一連の流れ】
①ブラケット設置予定箇所の鉄筋探査を実施
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鉄筋探査の結果を受けてブラケット固定用のアンカーボルト打設位置(削孔位置)が決定され、他社さんがアンカーボルトを打設。
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②打設されたアンカーボルトに対して引張試験を実施(規定数)
③打設されたアンカーボルトの定着長測定を実施(全数)
①鉄筋探査(電磁波レーダ法)
2025年7月〜8月実施/所要日数3日/弊社検査員2名
ブラケットは橋梁の下部工(橋を支える橋台や橋脚など)に「あと施工アンカー」と呼ばれるアンカーボルトで固定されます。下部工は鉄筋コンクリート構造ですので、アンカーボルトを打ち込むための削孔の際にコンクリート内部の鉄筋を切断しないよう、事前にコンクリート内部の配筋状態を調査する必要があります。
そこで用いられるのが「鉄筋探査」です。
レーダー探査機により、構造物を破壊せずに、コンクリート表面から内部の配筋状態を調査することができます。
今回は60箇所以上の鉄筋探査を実施しました。
>鉄筋探査(電磁波レーダ法)の「⽬的と仕組み」はこちら
>鉄筋探査について「よくあるご質問」はこちら
▼探査状況

▼探査箇所の配筋図・配筋状況写真・波形の例(同一箇所)

鉄筋探査の後、他社さんが現場に入り、ブラケット固定用のアンカーボルトを打設(コンクリート削孔、あと施工アンカー挿入・定着工事)。
その後、再びディ・アールが現場へ入り、打設済みのアンカーボルトを対象とした品質試験を行いました。
②アンカーボルト引張試験
2025年12月実施/所要日数1日/弊社検査員2名
打設されたアンカーボルトはエポキシ樹脂でコンクリートに固着させてあります。その固着力強度を確認するために油圧ジャッキ(センターホール型)にて引張試験を実施しました。
引張試験はアンカーボルトの全数ではなく規定数を対象とします。
検査位置、アンカー径、アンカー種類でロットを分け、各ロット3本ずつ、合計18本の引張試験を行いました。
【試験方法】
アンカー筋に油圧ジャッキをセットして上端部をナットで固定し、荷重を測定します。

【合否判定】
①目標とする最大緊張荷重を満足したか。
②試験終了後、アンカーボルト周辺の樹脂に異常(引き抜きによるひび割れ、盛り上がり等)はなかったか。
試験の結果、全点ともに最大荷重を満足し、試験終了後のアンカーボルト周辺についても異常は見られませんでした。
よって、アンカーボルトの耐力および樹脂の付着は十分に満足しているものと判断できます。
>アンカーボルト引張試験の「⽬的と仕組み」はこちら
>アンカーボルト引張試験について「よくあるご質問」はこちら
▼設置状況

▼測定状況

▼最大荷重確認

▼目視(異常なし)


③アンカーボルト定着長測定
(超音波パルス反射法によるアンカーボルト長さ測定)
2025年12月実施/所要日数1日/弊社検査員2名
アンカーボルト定着長が設計値を満たしていることを確認するために、超音波測定器を用いてアンカーボルトの長さ測定を実施しました。長さ測定は全数検査となります。
※定着長とは、基礎のコンクリートからボルトが抜け出さないようコンクリート内部に埋め込まれる長さです。
【手順】
①キャリブレーション(校正)
正確な測定結果を得るため、実際の測定対象と同じ材質の対比試験片を用いて、超音波測定器の設定を行います。
今回は500mm、1000mm、1500mmの3種類の長さの試験片を用い、これらの長さを「既知の長さ」とします。
まず、それぞれの試験片の長さをスケール(コンベックス)で測って確認します。
次に片側先端面に超音波測定器の垂直探触子を密着させて超音波を送信し、反対側の先端面で反射したエコーを確認して、既知の長さと一致するように測定器を調整します。そして基準となる超音波速度を確定します。
このキャリブレーションにより測定精度を確保します。


②測定
まず、アンカーボルトの先端部に超音波測定器の垂直探触子を当て、反射したエコーから得られた全長を記録します。
次に、コンクリートから突出しているアンカーボルトの長さ(突出長)をノギスで測り記録します。
全長−突出長=定着長(埋込長)となります。
設計値に対して定着長が不足していなければ合格です。
今回は306本のアンカーボルトの長さ測定を行い、全数合格となりました。
※今回、突出長は発注元の会社様が事前に測定されていたため、ディ・アールでは全長を測定して定着長を算出しました。


>アンカーボルトの超音波長さ測定について「よくあるご質問」はこちら
【作業を終えて】
弊社では「鉄筋探査」「アンカーボルト引張試験」「アンカーボルト定着長測定(超音波長さ測定)」を一連のセットとして請け負うケースが多いです。
今回は調査数・試験数が多かったですが、対象箇所が高所ではなく作業しやすい環境であったため、比較的スムーズにすべての作業を終えることができました。
技術部 H.T.





